2008/10/30

命頂戴 上海ガニ編

これまで人生の中で上海ガニを食べた記憶が無かった。
しかし、いつの間にか初体験が終わっていた。

ちょっと前から、街でカニが売られているシーンをよく見るようになった。
市場でもカニが大量に売っていたので、ためしに買ってみた。

冷蔵庫に入れておいてさて調理するかと縄を切ると・・・
とても元気に動き始めて、不意をつかれる。

毎食のように命をいただいているくせに、少々大きな生き物を自分の手によって殺すのは大変に後ろめたい。
大きな鍋があれば縄のついたまま熱湯に放り込むのが定石なのだろうが・・・どうやったら安楽死させられるのか、かなり長い間考え込んで固まってしまった。

学生時代、生物実験でカエルの解剖をした時には脳髄を一刺しするとよい、と先生に言われてそのようにした。しかし、脳が死んだといっても、結構長い間、反射で刺激に反応するのでつらかった記憶などが蘇る。
(ちなみにその後、実験担当だった先生にそそのかされて実験後のカエルの全班分を集めて友人とカエル肉パーティーをした。うまかった)。

海が近いから帰しにいくか?ということも真剣に考えたが、結局、覚悟を決めて殺した(どうやったかは内緒)。

在住の人に聴くと、縛られた状態で冷凍庫に入れて殺すとよいとのことであった。
せっかく生なのに凍らせるのは勿体無いが、なるほどそれなら眠るように死ねるか。

なるほど、と思いつつ、もう二度と買いたくない。

人が殺したものは心痛まずに食べているくせに。
しかし、たまには自分で生き物を殺す痛みを感じたほうがよいのかもとも思った。

その後で、上海ガニをレストランに食べに行って、先に食べたのが上海ガ二であったことを知った。
香港では大閘蟹と呼ばれているので、認識していなかった。

ちなみに、家で食べたのもそこで食べたのもとってもおいしかった。
食べられるのはほぼミソのみなので、いわゆるカニを食べるのとは違う感じであった。

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